アメリカ警察のGPS活用方法

先日、テレビ番組を観ていたのですが、アメリカ警察のGPS活用方法を紹介していました。
その活用術がスパイ映画並みに凄かったのでブログに書かせていただきます。
まず、アメリカでは日本と違い年間10万件以上の車両追跡(カーチェイス)が発生している事実を知る必要があります。

追跡に伴い、5万人以上が負傷、360人以上の警官および一般市民が死亡しているというデータがあります。日本とは桁違いで驚きますね。

また、追跡中の事故による保険金、医療費、従業員補償や逸失賃金は13億ドル(約1,300億円)にも達していて、経済的な損失も大きいということです。
そういった現状から、開発されたシステムが「StarChase」です。

どういったものかというと、逃走車両を追跡中に、危険度が高いと判断したなら、強力な磁石を内蔵したGPS送信機をパトカーフロント部の発射装置より発射し、逃走車両のリアボディ部分に装着させます。

GPS端末が、くっついたことが確認できれば、パトカーは速度を落とし、端末の情報を元に、逃走車がたどり着いたアジトや自宅へ踏み込み、逮捕・確保するといったものです。これで危険な状況下で逃走車を追跡する必要が無くなり、逃走する側の事故を未然に防ぐことができます。

このシステムにはパトカー1台あたり約5,000ドル(約50万円)の改造費用とGPS送信機は1つにつき約500ドル(約5万円)のコストがかかりますが、年間10万件以上の車両追跡に伴い生じる被害額から考慮すれば、妥当であり高いコストではないようです。

一昔前なら007やスパイ映画のワンシーンで観ていたことが、現実になってることに驚きです。それにしても、人種や国の法制度の違いもあると思いますが、アメリカ人は逃走する人が多すぎますね。

なお、日本の警察のGPS使用に関する裁判で規制があったように、アメリカでも一部の人権団体からは装置の乱用による人権侵害を懸念する声が挙がっているようです。

GPS尾行