車両尾行のイレギュラー

車両尾行のイレギュラーで最も注意が必要なのは初動の対応です。

対象者達が車両に乗って出発するタイミングで、尾行に入る事が出来ないような事があってはなりません。

イレギュラーといえども、事前に現場の下見をしっかりしておけば、回避することが可能です。

例えば、対象車両が停まっている駐車場の出入口の通りが頻繁に車両が走行しているようなら、どの位置に車両を停めて尾行に備えるかによって、結果が大きく変わることがあります。

信号が出入口付近にあるなら、どの程度のタイミングで変わるかも把握しておくことが大事です。

タイミングが悪く信号で行かれてしまったから、イレギュラーだったとはなりません。

探偵であるなら、あらゆる想定をしておき、対処法を準備しておくのです。

熱血探偵の場合、張り込んでいる場所の南に信号があり、向かう可能性が高いと判断すれば、青から赤に変わるタイミングを張り込み中にカウントします。

信号によっては異常に短かったりします。特に細い路地から大通りに入る信号は驚くほど青信号の時間が短いのです。

カウント5以内で変わる信号は要注意です。何も把握せず、行き当たりばったりで対応する探偵と把握している探偵では雲泥の差がでます。

どうする事も出来ないイレギュラーはありますが、備えさえしておけば、ミスを最小限に抑えることは可能です。

熱血探偵は調査をスムーズに進行させるために、状況認識を怠ることはありません。

調査中のイレギュラー

張り込み中のイレギュラーも結構あります。

車内にて気配を消して、後部席から張り込みしている時にタイミング悪く車両がエントランスを塞ぐように停車する。しかも、対象者達が出てくるタイミングで!

つい最近もありました。

怪しまれないように、距離を取って駐車場から対象者の出を撮影しようとしていると、いつ出てきてもおかしくないタイミングで駐車場の出入口を塞ぐように工事を開始するトラックが…

急いで駐車場を出て、路肩に寄せて撮影スタンバイをすると今度はエントランス前に住人の車両が停車。「嫌がらせかよ!」と呟く間もなく対象者達が仲良く出て来ました。

辛うじて車両の隙間から、ズームした対象者達を撮影出来たので、良かったですが、勘弁して欲しいものです。

以外とタイミング悪く撮影アングルを塞がれることがあるんですね。流石に、この日は酷かったですが。

あとは地域住人の通報で警察官が来たときです。張り込みをするときは周辺住民の動向などにも気を配っていますが、稀に自意識過剰な方がおられます。

そのような人が張り込みをしている付近に住んでおられると、通報される可能性が高く、調査がやり難くなります。

なるべく、車両の出入りを控え、目立たないようにしますが、調査車両を不審車両として通報された場合は即時に対応しなければなりません。

イレギュラーと言えども、探偵にとっては想定内のこととして、状況認識による対応が不可欠です。警察官にもそれとなく通報の内容を聴き取って、その内容を分析します。

警察がやって来る前に家を頻繁に出入りしていた住人や、それとなく調査車両を覗きに来た住人など、事前に察知していれば、概ね警察官とのやり取りで、「あそこの住人だろうな」と見当がつきます。

熱血探偵は幾度となく、そのようなシチュエーションを経験し、最適な対処法を身につけているので、慌てることはありません。ただし、対処中に対象者達が出てくるのだけは勘弁してほしいですが…

そのような場面でも、撮影を抜かりなくする術があるので、心配する必要はありません。熱血探偵は経験から得られた、蓄積されたノウハウによって証拠を確実に撮ることが出来るのです。

次回は車両尾行中のイレギュラーを取り上げていきます。

調査で起こるイレギュラー

調査をしていると、どうしても避けることが出来ないイレギュラーな出来事があります。どうしようもないイレギュラーなパターンをいくつか取り上げてみます。

まず、徒歩尾行時の場合、混雑している駅構内などで尾行中に人に声をかけられる。(最近はインバウンドも多く、道を尋ねられることがあります。)その声をかけてきた人を見た一瞬で対象者は人混みに紛れ見失ってしまう。

これは1人で尾行中のときに注意が必要です。たとえ、2人で尾行していてもインカムで連携を怠らず、捕捉しているか確認か必須です。

何故なら、「相棒が捉えているだろう」とお互いが思い込むことにより、2人共が見失っても、相棒が見ているから大丈夫だろうと慢心が生じてしまうからです。

熱血探偵と相棒のルールとしては、基本的に2人で追尾しつつ、どちらかが人混みに紛れて対象者が見えなくなった場合には、相方に捕捉しているかインカムで確認をとります。

この時に捕捉していれば問題ないです。ですが、2人共に見失っていれば、すぐに対象者が向かった方向に近寄り、再捕捉するようにしています。

イレギュラー的に話しかけてくる人は無視するか、急いでいるふりをして、尾行に集中するのが鉄則ですね。探偵なんですから!

徒歩尾行時のエスカレーターも注意が必要です。熱血探偵が経験したイレギュラー的な出来事は対象者がエスカレーターに乗り、左側を上がって行くのを確認し、距離を取って乗った時に盲導犬と飼い主(盲目の人)が横並びに進路を塞いでいたことです。(対象者が乗ったすぐ後に乗ったようですが、熱血探偵は対象者ばかり見ていて気付きませんでした)

最悪なことに、このエスカレーターは距離があり、中々出ることが出来ません。

追い越そうにも、盲導犬が熱血探偵のただならぬ雰囲気を察知してか、振り返って、じっと見ています。

やっと、エスカレーターから出て急いで向かうと対象者は駅の改札を入って、移動しているところでした。これは運が良かっただけで、改札がいくつもあるような路線だったらアウトだったかもしれません。

こういったパターンに対応する為に、1人はエスカレーター横の階段を使用するようにしています。(シチュエーションによって対応が異なります)そうすれば、何かあったとしても1人は必ず捕捉出来るからです。

イレギュラーは、まだまだ有りますので、次回も取り上げていきます。

長時間張り込みのコツ

先日、久々に2日間にわたって、車内にて張り込みをしました。

当日はお昼前から張り込みでしたので、6月といえども昼間の車内はエアコンがなければ、蒸し暑い状況です。

そんな時はコンパクト扇風機(モバイルバッテリータイプ)で身体を冷やします。と言っても冷えるほどではありませんが、無いよりは全然マシです。

ここで扇風機の位置にちょっとした工夫がいります。まず、車の屋根付近は避けなければなりません。

なぜなら、車の天井は直射日光が当たるため、かなり熱をもっているので、扇風機をその位置に置くと熱風を浴びることになってしまいます。

ベストな位置は後部座席の真ん中あたりで、膝に当たるくらいの位置です。

その辺りだと、温度は高くないので、風を足から上半身に向けると、結構涼しいのです。

その他には、張り込み車両はサイドドアガラスを遮光シートで囲っているのですが、その布シートをメッシュタイプに変更します。

これが、かなり有効なんですね。

風が吹いている時は、車内を風が抜けて、こもった空気を入れ替えてくれるので、扇風機とダブルで活かせば、比較的に快適です。

そんな感じで相棒と交代で仮眠を取りながら、約24時間の張り込みを完遂出来ました。

もちろん、対象者達の出入りは全て撮影し、全く気づかれることなく、調査が終了しました。

これから、更に暑くなってきますが、熱血探偵はクールに調査をこなしていきます。

逆走車両にご注意を!

先日、京都市のど真ん中でタクシー車両が逆走する事故がありました。

事故があった府道38号線(堀川通)は片側3~4車線の大きな通りで走行車両も多い道路です。

熱血探偵も京都で調査がある時は頻繁にこの道路を使用しますので、事故のニュースを見たときは「マジかいな?」と驚きました。

直近の調査時にも二条城の出入口付近で張り込みしていたので、事故の映像に見入ってしまいました。

しかも、朝の通勤ラッシュの時間でした。

けっこう、ハイペースで走行している車両も多いことを熱血探偵は知っていましたので、死亡事故にならなくて本当に良かったと思います。

ですが、事故に遭遇して重軽傷を負われた方々もおられますので、一概に良かったとは言えません。事故に遭遇し、軽症ですんだ男性がインタビューで、「やばい、これは死ぬやつや!」と間一髪でかわした話を聞くと、自分も遭遇していた可能性があるので、他人事ではないです。

タクシーを運転していた高齢男性に事故の状況を警察の関係者が聞いたところ「覚えてない」と言っているそうです。

嘘やろ..通行車両の事故時のドラレコ映像を見ましたが、軽自動車に幅寄せして接触した後に、加速して反対車線に向かうところが撮影されていました。

あれを覚えてないと言えるような人間が車両を、しかもタクシーを運転しているなんて恐ろしいとしか言えません。

ここ最近、アクセルとブレーキを間違えて突っ込んだとか、よそ見をしていたトラックに追突されたりとかの事故が多いです。

自分がしっかりと安全運転に努めていても、そういった車両に遭遇すると、避けようがありません。

熱血探偵は渋滞の最後尾になりそうな時は早めのハザード点灯や高齢者マークの車両、タクシー車両(運転が荒いタクシー)には注意を払っています。

高速の乗口にしても、逆走車両が現れた場合などを、なんとなく想起してはいます。

しかし、今回の事故のような逆走車両には対処できるか自信はありません。

おそらく、パニックになってしまうでしょうね。皆さんも車でお出かけの際は気を付けてください。

不倫相手はゲーマー

浮気をする相手の関係性について、最も多いのは仕事などの身近にいる男女だと思われます。

会社の同僚、上司と部下、取引先の相手など時間を多く接する機会がある相手と自然に仲良くなった場合、恋愛感情が芽生え、不倫をしてしまうようです。

あとは出会系アプリで知り合った相手ですね。パートナーに隠れて、気の合う相手を探して取り敢えず、デートをする。

その後、気に入った相手なら不貞行為にまで至ってしまうパターンが多いようです。

男女に限らず、そのような案件は多いんですね。

お金に余裕のある高級車を乗り回しているような中年男性が出会系アプリで出会った若い女性と不倫(一部パパ活のパターンも)している証拠収集を熱血探偵は山ほどこなしています。

会社の社長さんやお医者さんが多い印象です。依頼者さんの気持ちも知らずに、楽しそうに相手女性と遊ぶ姿を撮影するたびに、呆れてしまいます。

遊び慣れた男性には独特の雰囲気かあり、初見で「こりゃ、真っ黒やな」とわかってしまいます。

案の定、相手女性と合流し、お高いお店でご飯を食べて、バーで飲んで、お高いホテルにチェックインです。自分だけ深夜にチェックアウトして、何もなかったように帰宅する策士の方もおられます。

もちろん、相手女性はお高いホテルで翌日までゆっくりセレブ気分を味わってチェックアウトです。

不倫相手のレアなパターンとしてはネットで繋がったゲーム友達というのもあります。

今までに数件の案件がありましたが、驚いたのは長距離恋愛に発展したいた案件です。

警戒の高い不倫カップルだったので、中々、最後まで尾行が出来ませんでした。

しかし、遂に不倫カップルが別れた後に、相手女性の尾行に成功しました。

大阪から尾行をして、辿り着いたのは東京でした!

相手女性の自宅を割り出し、依頼者さんに連絡すると、そういえばゲーム仲間が東京に住んでると聞いた事がある…と驚きの返答。

1ヶ月に1回の泊まりのデートには、遠距離で中々会えないという秘密が隠されていたのでした。

東京で自宅割り出しをした熱血探偵と相棒はホテルでゆっくり泊まることとなりました。しかし、翌日には調査予定があるため、何処にも寄らずとんぼ返りです。

どんな状況でもベストを尽くし、真実に辿り着くのが、探偵であり、そう有りたいと願う熱血探偵です。

ギャンブル依存症案件

メジャーリーグで大活躍している大谷選手。その知名度は日本のみならず、世界的にもビッグネームで扱われています。
今年も上り調子でホームランを打ちまくっていますね。天性の野球センスを持ちながら、努力をおしまない姿勢は尊敬に値します。

しかし、そんな大谷選手が最も身近で信頼していた通訳の水原一平氏に詐欺にあいました。
詐欺というよりは窃盗ですね。

金額は20億円以上..
個人の被害額としては相当な額で驚きます。
直近のニュースでは歯の治療費用として、大谷選手から借りた額が数百万!しかも、二重に騙し取っていたらしいのです。

今までの報道から賭博の元締めにハメられた被害者の印象があったのですが、どうも違ったようです。
どうやら、ギャンブルに狂ったお金にルーズな悪人だったようです。賭博の回数や金額などを見ると常軌を逸しています。

ギャンブル依存症だから、しょうがないなんて言葉では済まされない事件です。
アメリカの法律で裁かれれば、懲役30年以上、彼の場合は司法取引に応じたので5~8年くらいではと専門家が言っています。

何れにしても、大谷選手が受けた心の傷は消えません。彼を信頼している様子をスポーツニュースなどで、何度となく見ていましたので、衝撃と落胆は相当なものだったでしょう。
それでも、立ち直って活躍してるところは精神的にもタフですね。
球団からの専門のカウンセラーや奥さんのサポートもあるのでしょうが、大したものです。

熱血探偵は年に数回、ギャンブル依存症の対象者を相手に証拠集めに奔走しています。
そういった案件は横領、背任行為が主になります。

勤務中にギャンブルに興じる輩は意外と多いのです。そのような対象者を追尾してギャンブルをしている姿を全て撮影、証拠を収集します。

最終的に雇い主から解雇通告を受けますが、どんな言い訳をしてもギャンブルに勤しむ自分自身の姿を見せられれば、無言となることでしょう。
対象者には、私達探偵を雇ってまで証拠を収集しなければならなかった雇い主の気持ちや苦労を考えてほしいものです。

信頼していた部下がなぜ?
ギャンブル依存症は社会的にもクローズアップされている問題ではありますが、熱血探偵は病気として扱うのは如何なものかと疑念を感じえません。

依存症に陥るような社会にも問題があるのでは?アメリカは合法の賭博が多く、陥るきっかけも多いのでは?
今回の事件が、そういったところを見直すキッカケになればと願う熱血探偵でした。

不倫カップル達のゴールデンウイーク

ゴールデンウィークが終わり、日常が戻って来ました。みなさんはどんな休暇を過しましたか。

今年は天気も良く、お出かけ日和だったこともあり、観光地は人でごった返していましたね。

一般の方々が休暇を楽しんているあいだ、熱血探偵達は忙しく、動き回っていました。
当然の如く、不倫カップル達もお出かけしていたので、追尾していたのです。

何件もの案件があり、あちこちの観光地を旅行する不倫カップルを追って、証拠集めに奔走していたのでした。

最も人の多さに驚いたのは京都でした。とにかく、インバウンドが多い!
観光地巡りをする不倫カップルを追いましたが、人、人、人でした。

宿泊したホテルもインバウンドだらけ。
人が少ないよりはやり易いですが、多すぎても撮影チャンスで人が被って、いい写真が撮れないなんてこともあり、結構、大変でした。

無事にいくつもの案件の証拠が撮れて、熱血探偵と相棒は一時の休息です。
一般の方々はゴールデンウィーク明けで、仕事や学校など日常に戻りますが、探偵はしばし休憩です。

熟練探偵の警戒案件対処法ファイナル

電車を下りた対象者と相手女性には警戒心があります。

熱血探偵と相棒は人混みに紛れて徒歩尾行に入ります。改札を先に出た対象者が振り返り、女性が改札を出るのを待っています。

こちらは別の改札から出て、相棒は改札内から様子を見ます。

女性が改札を出て、対象者と歩き出しました。

情報通り、並んで移動せずに前後に距離を取って周辺を警戒しながら移動しています。中々の警戒振りに、相棒とインカムで連携しながらの尾行となります。

対象者達は一定の距離を取りながら、駅構内を移動していきます。

人が多い場所なら大丈夫ですが、少なくなると厳しい状況です。

対象者達がエスカレーターを上がって、ホテルのロビーに繋がる通路に入りました。

行くしかない!ギリギリの距離感をキープしつつ、相棒と交互に追尾します。

女性は偶に振り返り、追尾者を確認する素振りはあるものの、こちらを凝視するようなことはありません。

何とか、ホテルのロビーに到着し、対象者がチェックインのために、フロントに行きました。女性はその後方から周辺を見回しています。

相棒と二手に分かれて、チェックインする対象者と女性を撮影します。運良くロビーは人で混雑していて、こちらは宿泊客に紛れることが出来ました。

チェックインした対象者達はエレベーター(宿泊カードで部屋の階にしか止まらない)で5階に上がりました。

部屋までは、流石に特定は出来ませんでした。しかし、階数と部屋の位置はある程度わかったので良しとします。

その後の調査は警戒も薄れ、やり易くなり、出かけた場所やホテルの出入りなど、全ての証拠を押さえることができました。

結局、同じホテルに一泊して、翌日の夕方くらいに終了となりました。久々のハードな調査で、体力的にも疲れましたが、相棒のおかげで大分、助かりました。感謝です。

依頼者さんにも喜んでいただき、熱血探偵と相棒はモチベーションが格段にアップしました。次回の調査もどんな相手であろうと、臆することなくベストを尽くして参ります。

熟練探偵の警戒案件対処法③

前回はギリギリのタイミングで対象者が乗った電車に飛び乗り、尾行を継続できたところまでを書きました。

ここまででも、かなりの警戒行動をする対象者でしたが、電車内でも対象者は周囲に目を光らせているようです。
対象者の車両は最後尾で対象者は一番後方の座席に座っています。

熱血探偵と相棒は隣の車両から対象者を監視しています。監視しながら、交互に見えない場所に移動して服装を変えます。
熱血探偵と相棒は3パターンほどの着替えを常備しており、この時はシャツを脱ぎ、黒Tシャツから白へ変更です。

警戒の強い対象者にはあらゆる手段を駆使して対応するのが真のプロです。
これで、別人になった事になり、ここまでの尾行をリセット、新たな気持ちで追尾ができます。気分的にも大分、楽になります。

さて、対象者は3つ目の大きめな駅で下車し、ホームを上がり、駅構内の共用トイレに入りました。すぐさま、人混みの多い場所を見つけ、2方向から監視します。
ここでも、中々出てきません。


暫くして、相棒から対象者が出て来て、コンビニに入店したとの連絡が入りましたが、こちらで見ていた感じでは対象者ではありません。

念の為、コンビニに確認に行くと服装、背恰好が似ている別人でした。調査中にはよくあることなので、慌てず対応するのが必須です。相棒と対象者の服装、バックなどの特徴をすり合わせ、面取りの精度を上げます。

対象者がやっとトイレより出て来て、改札へ向かいます。ここではすぐに追わず、様子を見ます。
改札に向かった対象者は改札手前でUターンし、正面を睨みながら歩いて行きました。すれ違う通行人を吟味しているようです。尾行者はお前か!と言わんばかりの睨みようです。

ここまでの対象者の行動パターンを見てきて、こちらも大分慣れてきました。
この対象者は無駄な動きが多く、姿を晒して尾行者を探す行動が、まるで「自分はここにいるよ」とアピールしているようで、人の多いところだとやり易い相手です。笑

階段でホーム階に下りた対象者はホームの端まで歩き、階段下の影に隠れています。
かろうじてキャリーバックの一部が見えているので姿を隠していても捕捉できています。

こちらはホームの線路寄りに二手に分かれて、監視を続けます。対象者が階段を上がり、改札階に行ったり来たりを2度繰り返しました。かろうじて、駅の利用者が多いので捕捉できています。

対象者が駅員に紙切れ(乗車券)を見せて、ホームの一番端に行き、柱に隠れました。
そろそろ、お目当ての電車がやって来るようです。奈良から京都間を走る観光特急「あをによし」がホームに入って来ました。

相棒と対象者を見逃さないように、ホームに並ぶ利用者に紛れて監視します。
電車のドアは開いているのに、対象者は動きません。「あれ、見当違いか?」と考えていると、間もなく電車が出発するとのアナウンスが流れました。

その瞬間、対象者が猛ダッシュで私達の前を通り過ぎ、観光特急の先頭車両に飛び乗りました。ヤバい、ドアが閉まる!
熱血探偵は即座に相棒に指示を出します。先頭車両を挟み打ちにするため、先頭車両の後方の出入口に入って!
こちらは先頭の出入口に素早く入ります。間一髪で間に合いました。対象者は既に車両の中に入り、姿は見えません。ですが、反対側の出入口は相棒が押さえているので、大丈夫です。

この電車の1・3・4号車はツインシートの座席配置となっていて、座った人を包み込むようなシートは、家具メーカーによる特注デザインだそうです。

宣伝文句で観光特急ならではのあしらいで、上質な時間を体験いただけます。だそうです。不倫カップルにとっては贅沢な京都までの旅路となりそうです。

熱血探偵と相棒は電車内に入ることなく、出入口のスペースにて、身を潜めて対応します。暫くすると、車内からカップルの楽しげな笑い声が聞こえてきました。やはり、車内の指定席を事前に取って、車内で合流したのは間違いないようです。

なんとまあ、手の込んだやり方でしょうか。不倫旅を愉しんでいるようで、ムカつきますね。
こちらとしても怒りとともに、俄然、やる気がかき立てられます。
必ず、不貞の証拠は押さえてやると、熱血探偵と相棒は久々に本気モード全開です。

暫くすると車掌さんがやって来たので、電車代をその場で支払いました。相棒とはインカムで連絡を取り合っているので、車掌さんがやって来るのは事前にわかっています。料金を支払っている間も楽しそうな対象者達の笑い声が聞こえてきます。プライベートな空間で警戒心も薄れているようです。

30分後に京都駅に到着しました。熱血探偵と相棒は電車のドアが開くと同時に電車を飛び出し、人混みに紛れます。

さてさて、警戒心なく楽しく2人で出て来るかな…と思いきや、対象者が先に出て、その後方を少し開けて、不倫相手の女性が現れました。しかも、周辺を見回しながら!


熱血探偵と相棒は「どんだけやねん!」と呟きつつも、「振り返りあるけど、人混みから捕捉なら問題なしやな」と尾行を続行します。
今回はここまで、次回をお楽しみに。