出張調査(全国調査)の楽しみ

昨年の調査では出張で多くの都市を訪れました。

名古屋、三重、静岡、神奈川、埼玉、東京、京都、滋賀、広島など。京都、滋賀は近いので出張ではないですね。

そんな出張先で私がもっとも楽しみにしているのが食べ物です。
その土地により、食べ物にも特色があり、美味しい料理がたくさんあります。

食べログで調べて評価の高い店に出向き、舌鼓を打つのが出張調査の束の間の楽しみです。

ですが対象者が、早朝から深夜にかけて休みなく動き続ける時は、そんな余裕はありません。

ひたすら尾行と張り込みの連続です。

たまに対象者の入った飲食店へ潜入して、食事をすることもあります。
当然、集中するのは対象者であって、食事ではありません。

出張先での食事は、調査員みんなで「おいしい!」と唸る店もあり、東京で食べたもつ鍋は格別の味でした。

飲まず食わずで動き回った調査員の前に料理が出されたら、一瞬で胃袋の中へと消えていきます。(笑)

全国調査に対応した、出張先で調査が全て終了し、依頼者様にいい報告ができました。
その最終日に代表と調査員みんなで食事をします。

やはり全力で頑張った仲間と、ご当地料理やお酒を頂くのが、楽しく癒される瞬間ですね。

探偵必須の心得

調査の舞台となったのは堺市のとあるマンション。

浮気調査の案件で既に数回調査に入っています。

前日の夜遅くに対象者と浮気相手の女が、マンションに入って行く証拠は既に撮影しています。

対象者は依頼者の夫であり、警戒心の高いなかなか手強い相手です。
女の住むマンションの出入りには、かならず周辺の様子を窺い、見慣れない車などは近づいて確認するほどです。

私達は2班に別れて、マンションの出入り口を押さえています。
対象者が出てくれば証拠を100%押さえる体制であり、絶対に成功させる自信もあります。

張り込みをスタートしたのは夜21時ごろ。出入り口に目を凝らし、集中します。
一瞬の油断が見逃す原因となるので気を抜くことは出来ません。

夜が明け、朝を迎えましたが、対象者が出てくる気配はありません。

調査員は交互に休憩にならない休憩を取りながら、張り込みを続けます。

やがて正午を過ぎる。日差しも暖かく眠気が襲ってきます。
どうしても瞼が重く、眠気が何度もやって来るときに思い出す言葉があります。

「探偵は依頼者の人生を背負うくらいの心構えがないと務まりません。

少しの気の緩みが依頼者の人生に大きく影響するのです。

依頼者が探偵に未来を託していることを肝に命じてください。」

私がまだ見習いのころに、代表から教わった探偵の心得。

この言葉を思い出すだけで不思議と眠気が吹き飛ぶ。
探偵ならこの言葉の重さを理解することができると思います。

調査員にとって、その調査が数ある中の一つであっても依頼者にとっては人生唯一の瞬間かもしれないのです。
眠い、しんどい...そんな泣き言など入る余地は皆無です。

そして、夕方17時前、対象者が姿を現しました。相変わらず周辺を警戒しながら通り過ぎて行く。
パートナーである依頼者様を裏切り、浮気相手の女のマンションに出入りし、警戒までして..

私は依頼者様に熱血探偵と言われる事がありますが、こんな理不尽なことをする人間を許すことが出来ないですし、辛い目にあっている方を何とかしてあげたい気持ちが強いのかもしれません。

長時間の張り込みを終えて、代表と合流。
証拠画像を確認し、調査が終了しました。

無事に調査を終えて、安堵感と充実感を味わいながら、みんなで飲むコーヒーは格別に旨いです。

スカイツリー

探偵の尾行術

探偵の業務内容の一つに尾行があります。

一言で尾行と言っても様々な尾行の方法があり、すぐに思いつくのが車や徒歩での尾行だと思います。

確かにこの二つの方法が尾行の大半をしめます。

対象者が徒歩移動をメインで電車を利用するなら、調査員も同様の移動手段です。

しかし、このパターンで問題になるのが、対象者が目的の駅に到着してからの移動手段です。

徒歩でそのまま目的地に行ってくれれば、徒歩尾行で対応できます。

またタクシーを利用した場合も調査員は先回りして、タクシーを押さえる準備を抜かりなくやっているので問題はありません。この場面で最も

探偵泣かせなのが自転車です。

徒歩のみの尾行で、対象者が駐輪場に行った場合は「ガッデム!! 行くしかない!」と気合を入れてマラソンのスタートとなります。

荷物を相方に渡し対象者の乗った自転車を、ひたすら走って追う事だけに集中します。

100m、200m、息がどんどん苦しくなってきますが泣き言をいってる場合ではありません。

依頼者様の為に逃してなるものか… 必死です。

今までの経験だともうダメだ、眼界だ。と諦めかけたときに対象者が目的地(ヤサ)に到着するパターンが多く、何とか特定に成功しています。

でも、さすがに体力の限界と言うか、歳には勝てませんね。

そこで、機動力のあるバイクが活躍します。徒歩尾行班の連絡をダイレクトに受けながら、バイクの調査員が電車と並走し、対象者が下りる駅に急行するのです。

自転車だけでなく原付バイクだろうが、けっして逃すことはありません。

この手法を公開しても大丈夫ですかって?心配いりません!!

言うは易く行うは難し。と諺があるように簡単にできる技ではないからです。

土地勘があり、裏道を知るスペシャリストだからできるテクニックです。

俺もそれくらいできると甘く見ているライダーの方、試してみてください。いや、危険なのでやめてくださいね。

バイク歴20年以上、レース参戦歴あり、海外をバイクで旅したことのある私でさえ、たまに難しい場面に直面するのですから、一筋縄ではいきません。

でも、成功したときの充実感はハンパないですよ。

少し前の浮気調査では摂津方面から難波、そして堺方面へと対象者を追いました。

電車やタクシー、徒歩で移動する相手をどこまでも追い続け、最終局面では自転車に乗る浮気相手を、激走尾行の代表とバイク尾行の私でヤサを特定したことは、懐かしく思いで深い案件でした。

探偵と対象者の面取り(顔の確認)

調査に着手するに当たって、情報が豊富にある場合と限られた情報しかない場合では、調査の難易度が大幅に異なります。

例えば、対象者の写真です。集合写真を抜き出したものやプリクラ程度の物しかない場合は面取り(対象者を特定し、顔や容姿を記憶する)にも苦労をしてしまいます。

それでも比較的に最近のものなら、何とかなります。

問題は古い写真画像で髪型から容姿(太っていたり痩せていたり老け込んでいたり)が激変してる場合です。

こうなると一部の特長を頭に叩き込み、直感を研ぎ澄まして対象者を探すしかありません。

しかし、調査員の中には面取りが得意な方がいて、他の調査員が、

「え、これが対象者?」

と首を傾げる場面でも、自信を持って

「間違いない!!」

と判断してくれ、尾行に迅速に移れることが多々あります。

後になって、なんでわかったんですか?とその調査員に聞きますと「何となく、直感で」との答え。経験豊富な調査員の方ですが、ここがこうだからとかではなく、長年の勘と言うか雰囲気と言うか…そういったもので分かるようです。
恐るべし、経験に裏打ちされた洞察力!!

私もその域に到達するべく日々調査に全力であたっています。

しかし、その眼力というかセンスには、あやかりたいものです。