探偵の尾行術

探偵の業務内容の一つに尾行があります。

一言で尾行と言っても様々な尾行の方法があり、すぐに思いつくのが車や徒歩での尾行だと思います。

確かにこの二つの方法が尾行の大半をしめます。

対象者が徒歩移動をメインで電車を利用するなら、調査員も同様の移動手段です。

しかし、このパターンで問題になるのが、対象者が目的の駅に到着してからの移動手段です。

徒歩でそのまま目的地に行ってくれれば、徒歩尾行で対応できます。

またタクシーを利用した場合も調査員は先回りして、タクシーを押さえる準備を抜かりなくやっているので問題はありません。この場面で最も

探偵泣かせなのが自転車です。

徒歩のみの尾行で、対象者が駐輪場に行った場合は「ガッデム!! 行くしかない!」と気合を入れてマラソンのスタートとなります。

荷物を相方に渡し対象者の乗った自転車を、ひたすら走って追う事だけに集中します。

100m、200m、息がどんどん苦しくなってきますが泣き言をいってる場合ではありません。

依頼者様の為に逃してなるものか… 必死です。

今までの経験だともうダメだ、眼界だ。と諦めかけたときに対象者が目的地(ヤサ)に到着するパターンが多く、何とか特定に成功しています。

でも、さすがに体力の限界と言うか、歳には勝てませんね。

そこで、機動力のあるバイクが活躍します。徒歩尾行班の連絡をダイレクトに受けながら、バイクの調査員が電車と並走し、対象者が下りる駅に急行するのです。

自転車だけでなく原付バイクだろうが、けっして逃すことはありません。

この手法を公開しても大丈夫ですかって?心配いりません!!

言うは易く行うは難し。と諺があるように簡単にできる技ではないからです。

土地勘があり、裏道を知るスペシャリストだからできるテクニックです。

俺もそれくらいできると甘く見ているライダーの方、試してみてください。いや、危険なのでやめてくださいね。

バイク歴20年以上、レース参戦歴あり、海外をバイクで旅したことのある私でさえ、たまに難しい場面に直面するのですから、一筋縄ではいきません。

でも、成功したときの充実感はハンパないですよ。

少し前の浮気調査では摂津方面から難波、そして堺方面へと対象者を追いました。

電車やタクシー、徒歩で移動する相手をどこまでも追い続け、最終局面では自転車に乗る浮気相手を、激走尾行の代表とバイク尾行の私でヤサを特定したことは、懐かしく思いで深い案件でした。